今回の 野村哲郎大臣の汚染水発言に限らず、農林水産大臣は不祥事が多い。
全てを記述するのは割愛するが、大きいところでは民主党政権時代は赤松大臣が2010年の口蹄疫対策で無能を晒し、2020年には吉川貴元大臣が鶏卵業者からの賄賂で起訴・有罪確定となるなど、とにかく短命。
そもそもポンコツがあてがわれるポストだから
マスコミは「呪われたポスト」と言うが、簡単にいうと当選回数が多いだけのポンコツがあてがわれるポストだからだ。
なぜなら支持団体へ配慮した結果だから
特に自民党にとって、JAといった団体は選挙で票を取りまとめてくれるから足を向けて寝られない有難い存在(他にも医師会や郵便協会などもあるが)。これは農水族だけでなく自民党全体が協力してもらっている状況。なので、そういった団体への配慮として農水族のベテラン議員を農水大臣に据えることが慣例化している。
今回問題になった野村大臣は次の選挙には出ないで引退すると言われている。これまで農業政策に関わってきた功績はあるものの、逆にいえば農業政策以外は素人同然。厳しい言い方をすれば、政治家としてのピークを過ぎた人物への思い出づくりとして差配されたポストだ。
そんなんだから緊張感もなく失言になったのだろう。農業政策に貢献した人柄も良い好々爺だけど、直近の内閣改造で退場となるのは既定路線。
なぜなら古い政治体質の議員が多いから
大臣ポストはいずれも助成金交付の差配権限を持つので汚職の誘惑があるのだが、農水大臣は古い政治体質を引きずっている人物が多いため脇が甘い。
例えば経済産業大臣は助成金に関する案件をメチャメチャ多く抱えているが、農水大臣ほど不祥事を起こしていない。これは、先進的な政策に携わるため、ある程度意識が高く先進的な素養を備えた人物が大臣を勤めるからだ。
一方、農水大臣の多くは地元の農業・水産業の代表者であり、ベテラン議員ともなると意識のアップデートがなされていない場合が多い。
一昔前なら「みんなやってるから」で目をつぶって貰えた案件も、現在ではアウトになっていることにピンとこないのだ。
なぜなら派閥のパワーバランスに配慮する必要があるから
現職の野村大臣は自民党茂木派(平成研)に所属している。茂木幹事長が率いる平成研究会は、いまのところ一枚岩になっていない。次の総理を狙っている茂木幹事長は、派閥内の求心力を高めるために野村氏を農水大臣にねじ込んだのだ。自民党内の権力争いの側面が強い。
当たり前だが適材適所の大臣人事を
岸田首相は外交が得意だし、外交で成果を出すことを最優先にしている。
総理大臣の権力の源泉は人事権と解散権なのだから、自身の目標達成のために人事で権力基盤を強めるのは当然だ。だが、それにしても大臣人事を党内権力闘争の道具にしすぎではないか?
例えば財務大臣に据えた鈴木俊一氏はお世辞にも財務大臣にふさわしい能力を備えてるとは言えない。
結果、財政政策についても財務省の操り人形になって悪手を打ち続けている。
上で農水大臣は古い政治体質を引きずっていると書いたが、岸田首相が古い政治体質から更新できていない事が問題、という結論に至ってしまった。自民党に緊張感を与える野党が不在である事が一番の問題だ。立憲民主党は論外だしなぁ。
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