日銀の植田総裁が参議院財政金融委員会で「場合によっては政策金利が引き上げられるということも十分あり得るというふうに考えている」と発言。
政策金利(=短期金利)引き上げの可能性はかなり高そうです。
ただ、この金利引き上げはあまりに時期尚早で、かなりの悪手だと思っています。
日銀の植田総裁、7月の「短期金利の引き上げあり得る」 国債購入減額と同時期の利上げも日本銀行の植田和男総裁は14日、金融政策決定会合後に記者会見し、「(7月までに)出てくる経済・物価情勢に関する情報次第で、短期金利を引き上げて金融緩和度合いを…
日銀の狙いは円安是正による物価高対策
日銀が描くシナリオとは
日銀が思い描くシナリオはこうです。
- 金利を引き上げる
- 日米の金利差が埋まり円安が是正される
- 輸入品のコストが下がる
- 日本の物価が下がる
円安の最大要因は日米の金利差です。
そのため日銀は金利差を縮めて円安を是正しようと考えています。
が、そう上手く行くとは思えません。
金利を引き上げても円安は是正されない→物価高は収まらない
2024年6月20日現在、アメリカの政策金利にあたるFF金利は5.25~5.5%
一方で日本の政策金利は0.1%
この状態から日本がいくらか政策金利を引き上げたところで金利差は大きいまま。
焼け石に水で円安は是正されやしません。
日本が一気に2%、3%も金利を上げるなんてできませんからね。
実際、日銀は2023年12月に政策金利を0.1%に引き上げましたが、激しい円安に振れたのは2024年3月ごろからです。
つまり、日本の政策金利を引き上げたところで円安は是正されないし物価高も収まらない。
加熱しすぎのアメリカ経済が冷めるのを待つしかありません。
金利引き上げによってデフレに逆戻り
日本はコストプッシュインフレで経済が鈍化している
現在の日本経済はインフレといっても未だにコストプッシュであってデマンドプルではありません。
そして代表的な経済指標の現状は
- GDP=マイナス成長
- 実質賃金=マイナスが続く
- 消費(需要)=減少
そんな経済状況で政策金利(=短期金利)を引き上げる意味が分からない。
金利引き上げによって日本経済が冷え込む
金利引き上げによって起こる現象は
- 住宅ローン金利の上昇
- 企業の設備投資の減少
- 企業や個人の資金調達が難しくなり景気が減速する
ちなみにコストプッシュインフレの場合、政策金利を上げてもインフレ抑制効果はありません。
当たり前ですが金利引き上げとは金融引き締めであり、加熱しすぎた経済を冷ますための政策です。
それを消費(需要)不足の日本経済で実行すれば消費者の購買力をさらに奪うことなります。
景気が悪くなってデフレに逆戻りするのは自明ですよね。
インフレ対策は財政政策で
消費減税でイッパツ解決
政策金利引き上げを実行しても円安は是正できず物価高の抑制もできず、むしろ経済にとって逆効果であることを説明しました。
では物価高対策は何をすれば効果的なのか。
答えは簡単。消費減税です。
- 消費税を減税する
- 物価が下がる
- 可処分所得が増える
- 消費が上向く
- 企業の業績が上がる
- 企業の設備投資が増える
- 賃金が上がる
- デマンドプルインフレが起こる
- 経済が成長する
- 税収が増える
消費が冷え込んでいる日本が実施すべきなのは「金利引き上げ=金融政策」ではなく「消費減税=財政政策」なんです。
ちなみに、ベストは消費減税ですが、それが無理なら公共事業や補助金、成長分野への投資、トリガー条項復活なんかも良いですね。
最後に
経済回復の兆しが見える度に財務省と日銀がぶっ潰してきました。
お願いだからもうやめてほしい。。。
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